成人式に振袖を着る意味は知っていますか。なんとなく着るものだと思っている人は少なくありません。
成人式に振袖を着る意味は、歴史を知れば理解できます。歴史を知ると、振袖の選び方に深みがでるでしょう。
今回は振袖の歴史や袖の長さの種類、色や柄に込められた意味について解説します。
振袖のはじまり
振袖のはじまりは江戸時代といわれています。江戸時代には、小袖と呼ばれる袖の長い着物がありました。身ごろの脇が大きく開いている特徴のある着物です。
からだの熱を逃してくれることから、体温が高い子どもたちの着用が主でした。子どもの年齢が、男子は17歳、女子が19歳を迎えると袖を短くして脇をふさいだとされています。
振袖の袖には意味がある
江戸時代から振袖の袖には意味がいくつかあります。
恋愛感情を表現する
江戸時代は、恋愛が自由ではありませんでした。愛情表現を自由にできなかった人々は、着物の袖を振って意思を伝えていました。結婚や交際の返事は、袖の振り方で決まっていたそうです。
厄を祓う
日本では「振る」という行為には厄払いの意味があります。江戸時代にも振袖の袖を振ることで厄を祓えるという考え方があったようです。
踊り子の衣装として
江戸時代の踊り子は振袖を衣装にしていました。袖の華やかさが人気で大流行したという説もあります。
振袖の袖丈は3種類
江戸時代末期に向けて振袖の袖丈が長くなるという傾向がありました。当初は66cmだった袖丈が、末期には120cm近くまで長くなったとされています。
袖の長さによって分けられた3種類を紹介しましょう。
大振袖
大振袖は袖丈が110cm以上あります。床につくほど長いの袖が特徴です。
振袖の中で最も格式が高く結婚式の花嫁衣裳に多く使用されます。
中振袖
中振袖は袖丈が100cmほどあります。袖は足首くらいの長さです。
成人式の振袖は中振袖が一般的とされています。結婚式に参列する際にも着用できる振袖です。
小振袖
小振袖は袖丈が85cm程度です。振袖の中ではカジュアルな位置づけです。
袖さばきがしやすく、パーティーに向いています。卒業式の袴に合わせるのは小振袖が定番です。
成人式に振袖を着る意味は3つ
振袖を着て成人式に出席する意味を3つ紹介しましょう。
振袖は未婚女性の第一礼装
成人式に振袖を着る1つ目の意味は、振袖は未婚女性の第一礼装というのがあります。
成人式は日本で古くから伝わる伝統行事です。成人の通過儀礼となる式典なので、正式な正装である振袖が向いているといえるでしょう。
成人を自覚する
成人式に振袖を着る2つ目の意味は、成人を自覚するためです。
日本では古くから成人を迎える儀式の際に髪型や着物を変化させてきました。成人式に振袖を着て過ごすことは、通過儀礼の名残といえるでしょう。
厄払いして門出を祝う
成人式に振袖を着る3つ目の理由は、厄を祓って門出を祝うためです。
振袖の袖には厄を祓う意味があり、振袖を着ることで厄払いができると考えられています。
振袖の色に込められた意味
振袖の色にも意味が込められています。代表的な色の意味を解説しましょう。
赤
赤には魔除けの意味があります。
ピンク
ピンクには、愛や女性らしさの意味があります。
緑
緑には成長する命という意味があります。
青
青は高貴で神聖な色という意味があります。
白
白には浄化という意味があります。
振袖の柄に込められた意味
振袖の柄にも意味が込められています。代表的な柄の意味を解説しましょう。
松竹梅
松竹梅は強さをあらわす意味があります。
松は不老長寿、竹は成長、松は女性の強さの象徴ともいわれます。
牡丹
牡丹には、幸福や高貴の意味があります。
鶴
鶴には、長寿や高い生命力をあらわす意味があります。
御所車(ごしょぐるま)
御所車には高貴や雅の意味があります。
周りに花が描かれていると花車といわれ、幸せがあふれるという意味に変化するのが特徴です。
鞠(まり)
鞠は長い糸を使ってつくることから、縁を結ぶという意味があります。
まとめ
成人式に振袖を着る意味について解説しました。
振袖の歴史や意味を知ることで、一歩差がつく振袖選びをできるでしょう。色や柄に込められた意味を知ることで組み合わせに変化が生まれるかもしれません。
記事を参考に、成人にふさわしい知性が感じられる振袖選びをしてみませんか。